本日の修理品

本日の修理品
持ち込みでの加工依頼です。
イタリアンカジュアルの雄、ディーゼルのデニムですが、膝頭が出るくらいの位置でカットしてショートパンツにしました。これから夏の間中、活躍してくれそうですね。

余談ですが、このあたりのイタリアンブランドは、現在、中国の温州でつくられているものがほとんどだと思います。商社の連中は温州を「中国のミラノ」と呼んでいるぐらいです。そして皮肉なことに、かつてイタリアで生産していた頃よりも品質が向上していたりします。
私見ですが、イタリア人のアバウトすぎる国民性は均質な工業製品を作るのに向いていないと思っています。
メーカー時代にインポートのイタリア製品(スポーツジャケット、スーツ、セーター等)を短期的に扱いましたが、どのアイテムも日本の検品基準をそのままクリアできるものがほとんどなく、大幅に手を入れる必要があり、ウンザリさせられたことがありました。トップランクの工場であっても、縫製の粗雑さはもちろん、縫い残しがあったり、同じサイズ表記なのに大きさがバラバラだったり、日本の専門店や百貨店にそのまま出荷したらクレームの嵐になるような商品のオンパレードです。
イタリア人は、プライドと言い値だけはバカ高くて販売先の事情を考慮することはありませんし、一方で日本の消費者にはイタリアもの信仰が根強くありました。そのギャップがあまりに大きすぎ、間を埋めるのが大変だったのです。「イタ公、いいかげんにしやがれ!」と毒づきながら仕事をしていました。
クリエイティビティーはあっても製品としての完成度が低いというのは、イタリア製の車などにも共通するんじゃないでしょうか?…私自身は乗ったことありませんけどね。推して知るべし。