プリント生地と柄合わせ

プリント生地と柄合わせ
ハワイアンシャツなどの総柄プリントシャツの、製品としての良し悪しを簡単に判断する目安となるのが柄合わせです。
どこまできちんと柄合わせするかによって、裁断手間や用尺が全く違ってくるからです。
一例をあげると、このシャツは前身頃中心で柄が揃い、左胸の張りつけポケットは、身頃の柄とピッタリ重なっています。このプリント生地は柄のピッチ(同じ柄が出るまでの生地の間隔)が縦、横共に46センチもあります。柄を正確に合わせて裁断しようとすれば、かなりの生地のロスが発生する上に、手作業で裁断しなければなりません。
そこまでの作業をきちんとしている製品であれば、縫製も手抜きせず、本縫いや二本針巻き伏せなどでしっかりと縫ってあり、ボタンも上質のものを使っていると見てまず間違いありません。本気でモノ作りしていると判断出来るのです。
一方大量生産する量販品では、一反から一枚でも多く取れるよう裁断効率を最優先し、柄合わせを考慮せずに生地を重ねた上に型紙を置き、短時間で裁断出来るジグソーを使うのが一般的です。前後左右の柄がきちんと合っている製品はほとんどありません。縫製もインターロック(地縫いと端のほつれ止めが一工程で出来る→レディース衣料に多用)がおおく、手抜きという訳ではありませんが、長年の使用を前提にしたつくりではありません。

消費者が生地そのものの良し悪しや、縫製などがわからなくとも、柄合わせをきちんとしているか否かを一見すれば、その製品の格は判断できるのです。
良いものを見定めたいと常日頃考えているお客様には参考になったでしょうか?