名著であるため、ご紹介

名著であるため、ご紹介
『コールド・ケース 未解決事件』マイケル・カプーゾ著 柏書房

未解決事件をテーマにしたTVドラマや映画は数多あるが、本書は、それらの事件を専門に扱い解決に導く、実在するアドバイザー集団を追ったノンフィクションである。
元FBI捜査官、犯罪心理学者、科学者、法医学の専門家などからなるボランティアチームで、その名も「ヴィドック・ソサエティ」。1990年にフィラデルフィアで創立され、迷宮入りしそうな事件を無償で捜査する現代のシャーロック・ホームズたち。
そして実際に解決に至ったいくつかの事件は日本でもマスコミに取り上げられたことがある。プロファイリングという捜査手法を確立したのもこれらの人達である。ソサエティのメンバーの来歴は様々だが、意外にも非科学的なスピリチュアルの助けを借りて被害者の顔を復元し、捜査を進める法医学アーティストも登場する。
面白い本だが、600頁にわたって多数の事件が取り上げられ、56章にも分けられている。それが一つの章で一つずつ完結するのではなく、あっちこっちの事件に飛び、年代も前後するので非常に読み辛い点が残念であった。