ローン・レンジャー

ローン・レンジャー
大々的な宣伝のおかげか、いつもガラガラのシネコンでもそこそこ人が入っていた。
年配者もちらほら見かけたので、テレビ放映されていたのを観ていた世代が劇場に足を運んだのだろう。
舞台は1860年代後半、大陸横断鉄道建設を背景にした娯楽西部劇。
おたずね者の探索に向かって返り討ちにあい、一人だけ命を吹き返したレンジャーが、インディアンの助けを借りて再び悪党の成敗に向かう。劇中には白人のエゴで滅びゆくインディアンだけではなく、鉄道建設のために絶滅に瀕するバッファローや、黒人奴隷解放後に輸入された苦力を使役するシーン等も描かれるが、もちろん社会派の作品ではなく、あくまで娯楽作品である。
物語りは、老齢になってワイルドウエストショーで働くコマンチ族のトントの回想シーンで進んでいく。アーミー・ハマー演じるローン・レンジャーは優男すぎて印象が薄く、二枚看板というよりトントに主役を食われてしまっている。トント役のジョニー・デップのコミカルな演技はパイレーツ・オブ・カリビアンと同じようなノリであまり新鮮味はない。バリー・ペッパーは名作「トゥルー・グリット」ではネイティブのならず者を演じていたが、今回は騎兵隊長に扮していた。ダイナミックな活劇シーンはお金がかかっているとは思うが、いろいろと盛りつけ過ぎ。もうすこし整理して上映時間を短くした方が良かったのではないだろうか。
悪い出来ではないが、かなりの長尺で後半がダレ気味になるのが残念。