DRIVE

DRIVE
ほとんど期待感無しに観た映画が意外な傑作だったケース。
今回もそんな一作。
近くのレンタル屋で他の作品と合わせて借りてきたのだ。
主人公以下、ほとんどの出演者を知らず(端役で出演した性格俳優ロン・パールマンだけ知っていた)、監督も聞いたことの無い人だったが、ただ派手なだけのアクション映画とは一線を画す、ハードボイルドの傑作。
題名から、ライアン・オニール主演の古い作品『ザ・ドライバー』を連想した。
本作の主人公も強盗の逃がし屋である点は同じだが、テイストはかなり異なる。隣人の事情を酌んで強盗の手助けを申し出た主人公だったが、すべてが裏目に出て、命を張って起死回生を計る。
蠍の刺繍が背中に入ったサテンのジャケットを着た主人公のプロフィールは最後まで詳しく語られない。隣人の妻を演じた女優の演技も見事であった。
美しく哀しい映像表現。最小限で効果的なセリフ。
観終わった後でじっくりと余韻が残る映画はそれほど多くない。