ジーンズ裾仕上げ(持ち込み品)について

ジーンズ裾仕上げ(持ち込み品)について
当店では他社さんのパンツの裾上げも、時間的に都合がつく限りは対応いたしております。とくにチェーンステッチによる裾上げは対応しているSHOPが少ないこともあり、お受けする機会が多いのですが、実際に持ち込まれた状態を見てお断りするケースもままあります。それは主に以下の理由によるものです。

*着用後、洗濯されていない状態
裾線がしわくちゃで地面にこすったような跡がある場合は、生地にホコリや砂が入り込んでいます。裁ちバサミを入れれば『ジャリジャリ』と音がし、三つ巻きにして一回り縫うとそれだけでミシンの針がダメになります。例えて言うとサンドペーパーを縫っているような感覚で、ミシンの抵抗が強くなり、針だけでなく本体の調子もおかしくなります。ミシンは常に1ミリ以下のクリアランス調整が出来ていないと正常に糸を拾ってくれません(シングルミシンも同じ)。
きちんと洗濯されておらず、ハサミやミシンを傷める可能性がある場合はお断りせざるを得ません。

*生地が縮みきっていないと思われる場合
力織機で織られた生地の場合、洗濯によってタテに8〜12%前後の縮みがあります。現在ではほとんどのメーカーで、多くの品目が製品洗いされた上で店頭に出荷されますが、中には原反のままだったり、軽く水洗いをして糊を飛ばしただけの製品もあります。そういった状態で持ち込まれ、『あとどのくらい縮みますかねぇ?』『おまかせしますから、丁度良くなるように切ってください』などとサポートを求める方がいますが、率直に言って、他社の製品については責任が負えません。当方に生地のデータが無く、生地の特性や、縮み分について判断しようがないのですから。お客様の責任で、カット分を指定していただかない限り、ハサミを入れられません。

昨今は、WEB環境が整備されたこと、中古流通品が多くなったことなどで、購入したお店以外で修理対応が必要なケースが増えているのだと思います。当店では可能な限り前向きに対応していきたいと考えておりますが、何でも無条件にお引き受け出来る訳ではありません。
本日はそのあたりの事情を書いてみました。