オルテガ神話

オルテガ神話
火曜日の大阪出張ではいつものようにファニー本社にもお邪魔したが、久々にオルテガのチマヨベストがたくさん入荷していた。
このブランケットを使用したベストはニューメキシコ州チマヨ地方の伝統工芸品で、何世代も前から引き継がれた手織り機で織られた生地を使用する。世界的に有名になり、引き合いが増えてもけして機械化しようとせず、同じ手法で製作されている。そのため慢性的に品不足で、なかなか流通ルートに乗らないので、名前は知っていても現物を見たことは無いという人は多いはずだ。価格も安くはなく、納期も不安定だがそれなりに魅力のある商品であることは間違いない。
しかしひとつの商材として扱うのは難しい面もある。
納期の問題もあるが、あまりにもサイズのバラツキが大きいのが難点なのだ。どの製品も後ろ身頃の裾のみ生地の耳が使われているが、それ以外の部分は普通の織物同様裁断、ミシン縫製されている。きちんとした型紙で裁断していればここまでバラつくことは考えにくい。すべてにサイズの表記が付いてはいるが、ほとんどあてにならないし、着丈と身幅のバランス自体が製品によって異なることさえあるのだ。担当氏の話では「あのヒトたち、採寸とかせーへんねん。出来上がったの見て、勘でサイズ付けとるんや」ということであった。冗談半分だろうが、製品管理が大雑把なのは間違いない。それがオルテガの伝統的なやり方であれば、ああそうですかと納得するほかないのだが…。
厳格な検品をクリアした日本の製品に慣れきったユーザーにこのあたりをご理解いただくのはけっこう大変である。シビアにサイズを選択したい人は現物合わせが必須なのだ。