ミステリーロード/欲望の街

ミステリーロード/欲望の街
2013年の作品で、レンタルDVDで鑑賞。
オーストラリアを舞台にした犯罪ドラマで、アボリジニの血を引く刑事が主人公。
顔馴染みのアボリジニの少女が殺害され、困難な捜査に挑む刑事。
派手なアクションなどはほとんどなく、物語は淡々と進んでいくが、事件の背景にある絶望的な人種差別と貧困を鋭く描き出した傑作。アメリカインディアンと同様、白人に支配されつくした先住民の悲哀がここにもある。
主人公と登場人物たちの掛け合いも実に味があって、見応えのある人間ドラマに仕上がっている。主人公が使う古いウインチェスターライフルや、ディンゴ(野犬)の存在も示唆的で、物語に厚味をもたせている。
荒涼たる大地を舞台にしたオーストラリア映画ということで、「マッドマックス」のような路線を期待すると大外れ。
好みははっきり分かれるが、自分としては高評価。