ジーンズ裾上げ

ジーンズ裾上げ
通販でデッドストックをお買いになり、持ち込みでの裾上げ依頼です。
何年か前にリアルマッコイズが、当時販売権を持っていたエドウィン商事とコラボして企画販売したラングラー13MWZ。
チェーンステッチでの裾上げをご希望でしたが、オリジナルはシングルステッチで、縫製の仕様からいってもチェーンミシンでは少々無理があるのでお断りし、結局シングルステッチでお受けしました。何が無理かと言うと、ラングラー系は内外のシームが二本針ミシンで巻き伏せ縫いされており、リーバイス系と比べてその部分が極端に厚く(巻き伏せで4枚×三つ折り=12枚)なっています。その為、厚物縫いを前提にセッティングしていないミシンでは噛み込んで止まってしまったり、針が折れたりといった機械的なトラブルを起こしやすいのです。リーバイス系はアウトシームは耳付きで割り縫い、インシームは縫い代をまとめて片倒し(片倒しで3枚×三つ折り=9枚)しており、それほど負荷はかかりません。
もちろん二本針巻き伏せの方が作業着として頑丈なのは言うまでもなく、タフなカウボーイジーンズとしてのラングラーは裾上げもシングルステッチが基本です。

画像1/復刻版のラングラー。オリジナル状態のシングルステッチ。

画像2/縫い代を残して裁ち切った状態。二本針ミシンで巻き伏せられており、シームは4枚重ねとなる。これを三つ巻きすると12枚の厚みに…。

画像3/比較として撮影したリーバイス系のインシームの裁ち切り画像。縫い代は前身頃側に片倒しされ、3枚重ねになっている。

画像4/シングルステッチでの仕上り。