ブライドル&ラティーゴ

ブライドル&ラティーゴ
革材料の不足により、しばらく欠品していた定番ビルフォードがファニーより入荷しました。
以前にも日記欄に記載した事ですが、FUNNYのレザー製品で使用される牛革はすべて同じ革というわけではなく、各々製法が異なり、風合いにも違いがあります。
画像左の赤茶色(レッドと表記)はラティーゴレザー、右の焦茶色(ハバナと表記)はブライドルレザーを使用しています。
ラティーゴは西部開拓時代から続く、アメリカンオイルドレザーの代名詞です。油分が染みこんだ強靭な革は、独特の粘りがあり、使用にともなってしっとりと落ち着いた風合いが得られます。
ブライドルは、英国発祥の馬具用レザーで、ロウを含ませて強度をあげたものです。新品の状態ではマットな印象ですが、使用により表面が磨かれて美しく艶やかに変化していきます。タン色のまま着色せずに製品化されているのもこの革です。
両者は一見すると染料の違いのように見えますが、製造工程が全く異なっており、使い込むことでその特性の違いが出てきます。
又、ファニーでツーリングレザーと呼んでいるカービング専用の革は、このどちらとも異なるものです。ロウ質の革や、油分を含んだ革は復元力が強く、カービングやスタンピングで模様を入れることは出来ないのです。彫りの入っている製品はそれに適した鞣しの革を使うことで、彫刻面の形状が安定するのです。

画像1/左がラティーゴ(レッド)、右がブライドル(ハバナ)。

画像2/経年による色変化…左がラティーゴ(レッド)、右がブライドル(ハバナ)。