別注シェリダン・フィリグリー

別注シェリダン・フィリグリー
ファニーの最上級クラフト、フィリグリー(革の表面を切り抜いて裏から別革を張る手法)によるウォレット製作は、以前は単品オーダーが基本で、素材や配色なども細かく注文した上で、ただひたすらに出来上がりを待つというスタイルでした。
出来上がりまでに3年以上かかることもしばしばで、価格も正確には出来上がってみないとわからないという、とても常識的なビジネスではありえないやり方を長年続けていたのです。これではイカンということになって、今年のカタログ新調を期に、フィリグリーの定番仕様を掲載し、以降はその仕様通り定型で生産し、そのかわり納期と価格を安定させることになったのです。
現在はライダースウォレットをベースに130000円、170000円、236000円の3種類がラインナップされています(69000円のラインは限定品でカタログ未掲載)。
さて、今回ご紹介するフィリグリーは、現在の生産体制になるずっと前にファニーの本社で単品オーダーした最後の仕上り分です。ベースにはライダースウォレットではなく、あえてシェリダンウォレットを指定し、ボディとストラップが一体裁断されている贅沢なつくりです。ビクターコンチョも大径の37ミリをチョイスし、ハンドカービングもタン、オレンジ、ブラウンとマルチカラーで染め分けています。透かし彫りに裏張りする革は画像のブルーのパイソンの他、個々に素材を変え、今回の納品分4個とも異なる印象で仕上がってきました。なおかつ新定番の片面彫り(130000円)よりも抑えた価格でのご提供です。
同じものが二つと無い「手工芸品」と呼びうるシェリダンウォレット。
購入者が絶対に後悔しない最高の付加価値商品をご紹介出来るのは気分が良いものです。

画像上/バランスよく配置されたターコイズを中心にしたシェリダンカービング。ストラップはスパーバンドを模した独特の形状。

画像下/本体から続き断ちされるストラップ。縫い付けよりもスッキリ仕上がるが、裁断効率が悪くコストがかかる。

価格/125000円