潜水艦コマンダンテ

潜水艦コマンダンテ
昨日、久々のイタリア映画を近くのシネマで鑑賞。
前々から観たかった作品でもなく、たまたま時間がある時に上映されていたので、暇つぶしに観てみるかという程度で入場。
しかし意外に面白く、構成も巧みで、最後までグイグイと引き込まれる作品であった。
1940年に起きた実話の映画化で、第二次大戦初期に地中海で航行したイタリア潜水艦コマンダンテと、その艦長を描く。
航行中、中立国ベルギーの船籍でありながら、重武装した(実際には敵国イギリスの軍需物資を運んでいた)貨物船と交戦し撃沈。本来なら偽装船の救助義務はないが、コマンダンテの艦長は軍法よりも「海の男」のルールを優先し、海に投げ出された敵国兵を救う。
少ない食料を分け与え、英軍の砲撃にさらされながらも、直近の港まで救助した敵国人を送り届けるというのがストーリーの骨子。
当然異を唱える部下たちとの軋轢もあるが、敵の軍人との、海の男同士の交流も生まれる。意外だったのは、士気の高いイタリア海軍軍人達が、敵国よりもナチを毛嫌いするような描写が多いこと。大戦が始まったばかりで、イタリアファシスト党はナチスと同盟を結んでいた時期。まっ、映画ならではの演出かもしれないが…。

映画とは関係ないが、このコマンダンテ号はその後数奇な運命をたどり、ドイツ軍に引き渡され、ドイツ降伏後は「伊号第五百三潜水艦」として日本海軍の所有となった。