ニットとカット・ソー

ニットとカット・ソー
同じコットン素材のスウェットにも、大きく分けてニット(編み物)とカット・ソー(裁断・縫製物)があるのをご存知でしょうか?
ニットというとウール製品を想像しがちですが、素材とは関係なく、編み物一般を指します。一方カット&ソーは、編み地を型紙裁断(カット)し、縫製(ソーイング)することからこの呼び名があります。これは基本的に生地製品と同じ工程で生産されます。製品としては一見すると同じようですが、製造工程が大きく違い、商品特性も違います。簡単な判別法としては、ニットはボディの脇に接ぎ目がありません。これは丸胴といって、編み機でボディを筒状に編み立てていくのです(ただし袖やリブは裁断して縫い付け)。生産性の点ではカット・ソーにかないませんので、短サイクルで生産するレディース製品や比較的低価格の製品はカット・ソーが主流になります。
そしてニット製品には、現代の編み機で製品化したものと、半世紀前の吊り編み機(機械が柱に吊られた状態で固定されている)を再稼働させ、手編みに近い風合いにこだわったものがあります。画像のフェローズ製品は40〜60年代当時の吊り編み機でゆっくり編み上げられたものです。手編み感覚のざっくりした風合い・毛羽立ち・フィット感などは現代のものとはあきらかに違います。
生産性が低い(高コスト)のは力織機で織ったデニムと同様ですが、やはりこちらのほうが長い期間、気持ち良く着ていただけると思います。