福袋一考

新年早々のこの時期、小売業界ではお約束のように福袋を集客ネタにしています。このモノ剰りの時代に、多くの商品をつめこんだ袋詰めのセット商品が、どれだけ購買意欲をそそるのかわかりませんが、量販さんなどは12月初旬から準備作業しています。もはや売り上げ予定として予算が組まれ、年間スケジュールの一部になっています。実態としては余剰品をまとめ売りするのではなく、一部の余剰品とセール用に開発した商品の抱き合わせ販売といったところでしょうか。
実はアパレル業界には、セール品を専門に開発する業者さんがいます。そして度々問題になるのですが、その多くの商材が二重価格で販売されています。
二重価格というのは、正札10000円→セール価格5000円で販売されているものが、実際は10000円で販売された実績がなく、はなからセール価格5000円で販売されているようなケースをいいます。もともと5000円でも利益の出る製品であることは言うまでもありません。
これは一般消費者に誤解を生ぜしめる商法ですから、公取委の摘発対象にもなります。
しかし、常態化していて数が多過ぎ、事実上野放し状態なのです。
福袋に詰め込まれる商品も、おおくは福袋用に開発された商品ですから、もともと正札があるわけではありません。(50000円分の商品が福袋で10000円)などと謳われていても、そのまま鵜呑みにできるものではないのです。
だいたいまともなメーカーの商品を投げ売りしたりしたら、メーカーも黙ってはいないでしょう。自社の製品に誇りを持つメーカーはダンピングをほうってはおきません(じつはこれは価格制限で独禁法違反のおそれがあるんですけどね)。
福袋商法もひとつのビジネスモデルですし、全否定するつもりはありません。本当に良品を詰め合わせてお客様に楽しんでもらおうという姿勢のお店もあるとはおもいます。
結局はCS(顧客満足度)ということですから、とやかく言えませんが、供給する側にも様々な戦略があるのだということを書いてみました。
量販のみなさん、ごめんなさい。