ミッションワイルド

ミッションワイルド
邦題の付け方がいいかげんで、ぜんぜんワイルドな西部劇とは趣が違う。
あのトミー・リー・ジョーンズが監督、主演を兼ねた作品で、DVDを借りてきて鑑賞。
ヒラリー・スワンクやメリル・ストリープ、ジェームズ・スペイダーといった主役級スターを配しながら、全く話題にならなかった地味な作品。
日本人にはピンとこないが、これは西部開拓史を舞台にしたキリスト教の自己犠牲や、目覚めをテーマにしているのだと思われる。
トミー・リー・ ジョーンズ演じる処刑寸前のならず者が、助命と引き換えに精神を病んだ女性たちを護送するトレイルに加わる。依頼主の女性は旅半ばで自死してしまうが、いろいろな障害に出くわしながらも最終的に目的地に到着する。
トミー・リー・ジョーンズは、キリストの処刑と引き換えに命を得たバラバのような役回り。狡くて情けない初老のガンマンを演じ、「ロンサム・ダブ」で演じたウッドロウのような格好良さは全くない。
アクション西部劇を期待する人には全く不向きであると言える。
しかし、宗教的な観方をすれば、多くのシーンが示唆に富んでおり、なかなか余韻のある良作であると言えよう。