レンタル工房にて

レンタル工房にて
先日、出張で来ていた東洋エンタープライズの営業担当者と、当店のお客さんを交えて飲み会をおこなった。
その時、あるお客さんが、同席していた別のお客さんに、個人輸入したものの着なくなったオルテガのジャケットを譲る話になって、当店を経由してお渡しすることになった。
それを昨日お渡しし、試着してみるとサイズはあつらえたようにピッタリだったが、化繊の裏地がシームに沿って5か所破れている。そのうち二か所は、不自然に入っていた肩パットを購入したお客さんが取り外した痕で、あとは縫製不良によるもの。
オルテガの製品はふわりとした手織りの風合いが売りだが、それを立体に組み上げる縫製作業が極めて雑なのだ(日本のアパレルメーカーの厳しい検品基準では、まずクリア出来ないレベル)。
そこで当店のミシンを使い、譲り受けたお客さんがDIYでリペア作業おこなうことになった。
動力をオフにして、プーリーを手送りして慎重にカケツギする。
結果的に穴は塞がり、一見縫い跡もわからない程度に仕上がった。

画像1/オルテガのチマヨジャケット。表地はハンドウーブン(旧式の織り機によるもの)。

画像2/手間のかかっている表地に比べ、安っぽい化繊の裏地。せめてキュプラぐらい使ってほしい(希望)。縫い代の幅が不揃いで、縫い目の浅い部分がスリップ(滑脱)している状態。本職が縫っているとは思えない。

画像3、4/工業用ミシンでの作業に、懸命に取り組むお姿。