アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー
劇場公開中に観ておきたかったので、近くのシネコンで鑑賞。
西部劇のスター俳優から半世紀を経て、今や押しも押されもしない大映画監督になったクリント・イーストウッドの最新作。
イラク戦争に従軍した伝説の狙撃兵の実話を映画化した作品。
自ら志願し、厳しい訓練を経てシールズの一員としてイラクに派兵された主人公。愛すべき家族がいながら、過酷なミッションに臨み、多くの武勲を上げて戦友から(レジェンド)と呼ばれる。殺らなければ殺られる状況で、引き金を引く主人公に迷いは無い。時には配置を無視して海兵隊の突入作戦に加わりさえする。そして何度かの従軍の後、無事に除隊し、家族の元へ。故郷では傷ついた戦友達のため、社会復帰の手助けを始めるが…。
この映画は、もちろん単純な戦争娯楽映画ではない。『タクシー・ドライバー』や、『ディア・ハンター』に描かれた戦争後遺症も重要なテーマになっているが、描き方に過剰なところは無く、むしろ淡々としている。
無音のエンドロールでじっくりと内容を反芻させられる。
本国でも大ヒットしたようだが、アメリカ人はこの映画をどういう視点で観ているのだろうか。