イコライザー
デンゼル・ワシントンの映画を劇場で観たのは『アメリカン・ギャングスター』以来。
もう60歳を過ぎているのに、タフガイを演じても違和感が無い。抑制的な表情の中に、ゾクッとするような凄みを感じさせてくれる。アクション映画としては長時間の作品だが、人物描写が巧みでテンポが良いため退屈しない。
物語りは、ホームセンターに勤める地味な初老の黒人男性が、たまたま深夜のダイナーで知り合ったロシア人少女を売春組織から救う。そのため背後に控えるロシアマフィアに命を狙われるが、彼は元CIAの暗殺要員で、身近にあるものを武器に変え、相手を秒殺できるテクニックを持っている。イコライザー(等しくするもの)による、社会の不条理を正す戦闘が開始される。
現実離れした強さや、暴力シーンの連続は評価が分かれるところかもしれない。
主人公が冒頭に少女と出会うシーンでの「老人と海」についての対話は、CIAの中で自分に一定のルールを課し、ストイックに生きてきた人生を重ねて語っている。後悔を滲ませつつ、(漁師は漁師として)戦うべき相手と戦ってきた自分について語っているのだ。このくだりが丹念に描かれることで映画にふくらみを持たせている。
刺青だらけの元KGBのマフィアが、悪魔そのものに描かれている点は宗教的な意味合いも含まれていると思われる。
少女とのからみで『タクシードライバー』や、『狼よさらば』を思い出す人もいるかもしれない。
映画のリーフレットでは『必殺仕事人』みたいに書かれていたが、いろいろと解釈の余地もある、単純なアクション映画を越えた作品であった。
もう60歳を過ぎているのに、タフガイを演じても違和感が無い。抑制的な表情の中に、ゾクッとするような凄みを感じさせてくれる。アクション映画としては長時間の作品だが、人物描写が巧みでテンポが良いため退屈しない。
物語りは、ホームセンターに勤める地味な初老の黒人男性が、たまたま深夜のダイナーで知り合ったロシア人少女を売春組織から救う。そのため背後に控えるロシアマフィアに命を狙われるが、彼は元CIAの暗殺要員で、身近にあるものを武器に変え、相手を秒殺できるテクニックを持っている。イコライザー(等しくするもの)による、社会の不条理を正す戦闘が開始される。
現実離れした強さや、暴力シーンの連続は評価が分かれるところかもしれない。
主人公が冒頭に少女と出会うシーンでの「老人と海」についての対話は、CIAの中で自分に一定のルールを課し、ストイックに生きてきた人生を重ねて語っている。後悔を滲ませつつ、(漁師は漁師として)戦うべき相手と戦ってきた自分について語っているのだ。このくだりが丹念に描かれることで映画にふくらみを持たせている。
刺青だらけの元KGBのマフィアが、悪魔そのものに描かれている点は宗教的な意味合いも含まれていると思われる。
少女とのからみで『タクシードライバー』や、『狼よさらば』を思い出す人もいるかもしれない。
映画のリーフレットでは『必殺仕事人』みたいに書かれていたが、いろいろと解釈の余地もある、単純なアクション映画を越えた作品であった。